KaneBlueRiver そのチームの変遷


人類の皆様ごきげんようガンマ線を浴びて咲く一輪の花、キュアハルクです。
さて、もう大分前の事となりますが7月に行われたEVO2015、見事優勝し世界一の座を手に入れたのは、KaneBlueRiver、我らがケインさんでした。

では皆様に質問です。ケインさんのチームは何でしょう?

恐らく多くの方が「そんなもんハルクセンチハガーだろ!プリキュアのことばっかり考えていてついに脳が沸いたか、このプリキチめ!!」と思われるでしょう。
その通り、私はプリキチで、ケインさんはハルクセンチハガーで戦い続けてきました。(一瞬ハルクシュマハガーになっていた時期があったのは秘密)
 
けれども、ケインさんが今現在のハルクセンチハガーに至るまでには、長い年月が必要でした。今回はそのチームの変遷を皆様にご紹介したいと思います。

2012年、ケインさんのチームはハガーハルクセンチでした。これだけでも特筆に値しますが、このチームは今のケインさんチームと比較すると大きな違いが1つあります。
それはセンチネルのアシストがロケットパンチ、つまりセンチネルは二段エリアル用であり、立ち回りはウェイブでカバーするチームでした。

チーム全体の戦術としてはダウン拾いを持つ二つのアシストを軸に、ハガーの火力を強化し、倒しきれない場合はクラッシュでとどめを刺す。そんなコンセプトのチームです。
今見ても中々に高火力なチームですが、もう一つ気付くことがあります。

ケインさんの代名詞でもあるハルクによる弱ウェイブ対空ガンマ強派生、弱ウェイブ対空ガンマM派生のパーツ。日本では対空ガンマコンと言った方がよいのでしょう。それを使う様子が見られないのです。(私が見つけていない可能性もあるので、どなたか情報を下さい。)

なおハガー先鋒時のコンボは、今よく見るコンボも多く見受けられます。この頃の経験がケインさんの確かな力になっているのではと思う次第です。
 
対空ガンマコンが現れるのは2013年、それと同時にケインさんのチームはハルクハガーセンチへとシフトします。この頃もセンチのアシストはロケットパンチであり、完全に近距離に特化した超火力チームへと変貌しました。

この時期のケインさんとしてはLLND(クリスレイレイアマテラス)さんとの対戦がニコニコ動画に上がっています。対クリス用の対空ガンマルートを見つけているため、既に相当研究を積み重ねたことが分かります。

ケインさんチームでの対空ガンマコンは、後の出現攻めの意味でも非常に強いコンボです。
これはどういう事かと言うと、対空ガンマの〆の状況から相手の出現位置にダブラリを置く事で、ただそれだけで裏表がかけられるという事、空ダで逃げた相手にJHや空投げ、ダブラリをガードさせた場合でもコマ投げを仕掛けるというセットプレイが成立するからです。

そして、2013年のケインさんの行動として忘れてはならない事が1つ。

4月に日本への来日をした事です。
たった2週間の出来事でしたが、その間に数多くの日本トッププレイヤーと戦い、研鑽を詰んでいったのでした。

その後、CapconCupに参戦し、マ―リンパイさんと激戦を繰り広げたのは皆様の記憶にもあるのではないでしょうか?

2013年末に再び日本に来日、今回はかなりの長期間であり、アルカプ忘年会や台東区対戦会、ブラックアイでの激闘。4月とは比べ物にならないほどの経験を積んでいったのです。ちなみにその時期のケインさんにキュアラブリーのストラップを渡した奴がいます。誰だろうなー

そして彼のチームに変化が訪れます。

センチネルのアシスト変更。そう、ここでケインさんのチームにセンチネルフォースというアシストが加わるのです。
正直な話、私がそのアシスト変更を初めて見た時には、確かに立ち回りでは有効であるものの、ハルクの二段エリアルを捨てるのはどうなのか…と思っていました。しかし、そんな事を考える私の浅さを知るのに時間はかかりませんでした。
 
2014年、ケインさんのコンボルートに新たな要素が加わります。ハルクのSとセンチネルフォースを同時に呼び、エリアルからセンチネルフォースに相手を当て、再びコンボに繋げる事で画面端に持って行く。この頃からケインさんチームの火力は他と比較することのできない爆発的なものになっていきます。センチネルフォースはハルクのコンボにとって予想以上のシナジーを発揮するアシストだったのです。

そもそもセンチネルフォースはコマ投げからの拾いにも使えますし、ハルクのチャージとセンチネルフォースを同時に呼ぶことで、チャージヒット時にそのままJHJS。
画面端での対空ガンマ強派生からセンチネルフォースを呼びつつ弱ウェイブ、再び対空ガンマ強派生、センチネルフォースヒット。5H対空ガンマという対空ガンマを3回当てるルート。
そして中堅がハガーである事で、対空ガンマM派生から生交代、ダブラリデスクワークDHCガンマクラッシュというコンボパーツも誕生します。
開幕が強いハルクである事も相まって、もはや触られたら死ぬしかないというチームが誕生したのでした。

私事ですが、この年のケインさんで忘れられない光景があります。韓国での大会Id global Tournament(IGT)を友人と見ていた時の事です。予選プール2回戦、ケインさん対えいたさん戦。
ハルクの空投げが刺さった瞬間に我々は「あ、これノヴァ落ちたわ」と呟きました。
友人は「これ2ゲージ払って終わりだよな。」と言い、私は「いや、ハルクだから1ゲージで済む。」と言ったのです。だがしかし、そこから見えた光景は我々の想像を上回るものでした。

ダブラリで拾い、M6M強ガンマチャージ弱派生、画面端に追いつめて対空ガンマ強派生、2HS、JHJS、センチを呼びながら弱ウェイブ対空ガンマ強派生、5H対空ガンマ中派生、5H、中ウェイブ。
……ノヴァが投げ始動からノーゲージで落ちた瞬間でした。2人とも言葉が出なかったのをよく覚えています。

ハルク使いとして恥ずかしい事ですが、この瞬間に私はハルクの真の価値に気付きました。ハルクというキャラの真の長所は体力でもなく、火力でもなく、相手を倒すためのコストの異常な低さなのだと

実はハルクというキャラ、元々の単発火力が高い上に、他の重量系キャラと比べてコンボが伸びやすいのです。それに加えいくら補正がかかっていようと関係のない対空ガンマパーツの存在で、ゲージ回収量が異常な程高く、しかも払うゲージ量は少ない。必然的にゲージは溜まります。
その有り余ったゲージでどこからでも相手を倒す。それがハルクというキャラの真価だったのです。

そして2014年末から2015年にかけて、ケインさんチームにはまた新たな変化が訪れます。ハルクセンチハガーへの順番の変更です。この並びになったため、ケインさんチームにはVCという選択肢が加わりました。
画面端に少し届かない時、VC、ダッシュとする事で対空ガンマにコンボを繋げるのです。けれども同時に先述した対空ガンマ中派生生交代からのダブラリデスクワーククラッシュ、そして何よりラス1力が失われます。正直何故……?と思ったのは否定しません。

しかしここからでした。ここからケインさんチームは更なる飛躍を見せるのです。

ハルクによる単独二段エリアル。HJとダブラリによる出現攻め、その後の裏落ちからのコマ投げや小足、JLによる崩し。ハガーのエリアルからのハルク生交代コンボ。
そして出現攻めにセンチネルフォースを呼び、ハガーのワイルドスウィングを重ねてからの各種連携。
この出現攻めが完成した瞬間、それがEVO2015を制したKaneBlueRiverの戦術が完成した瞬間でした。それを簡単にご説明しましょう。
 
センチネルフォースとチャージの固め、ダブラリによる接近戦補助。開幕に強いハルクで初手を取ったのち、ハルセンチによるVCなども駆使し、どんな距離からでも絶対に相手を倒す。
その後ハルクで相手を倒した場合、相手の着地点にダブラリを置いてからの裏表、HJダブラリの連携などで強力な出現攻めを仕掛けます。
画面端でセンチネルにディレイドした場合、ハルクではなくハガーに交代し、ハガーハルクセンチの並び順に。
同時にセンチネルフォースとワイルドスウィングの出現攻め。
ハガーの攻撃が刺さったのならばそのままハガーでコンボを継続してもよし、生交代ハルクからの最大火力を叩き込んでもよし。
そしてセンチネルが大将になる事で、ラス1力も確保されます。
 
……正直な所、これ以上は私程度がここで言葉を重ねるよりも、KaneBlueRiver、彼のEVO2015での戦いを見て頂くのが一番だと思います。
EVO2015での彼の戦いは素晴らしく暴力的で、緻密に練り上げられていて、何よりこれまでの彼の積み重ねが結実した瞬間だったからです。
特にEVO2015グランドファイナル。あの試合は今まで彼が研究を重ねてきた全ての要素が詰まっている。ハルク使いの端くれながらそう思う次第です。

さて、長々とした文章となってしまいましたが、いかがだったでしょうか?
ハルクセンチハガー、ケインさんの代名詞とも呼べるこのチームですが、このチームがたどった道程、その素晴らしさと魅力を少しでも皆様にお伝えする事が出来たのならば幸いです。
そして私は思うのです。ハルクセンチハガーという同じキャラであっても、常に変わり続け、進化し続けてきたケインさんのチームは、まるでプリk(検閲)

最後にKaneBlueRiverさんへ。貴方の戦いを広く人類に伝えたいと思い、拙い文章ではありますが、こうしてコラムにさせて頂きました。勝手な想像や憶測が混じっているかと思います。もしこの記事を読んでご気分を害されるようなら仰ってください。
貴方のこれからの一層の活躍をいつも、強く願っています。

日本に住む貴方の1ファン、Curehulkより